薬力大明神と私の出会い
もともと、神仏の世界に全く興味が無く手を合わせる事もなかった…というかあまり信じていなかった私がなぜ今日に至ったのか。
平成9年、急に体調が悪くなり(体が異常に重だるく、階段を2~3段上っただけで倒れそうなほどの状態と息切れ)病院という病院で脳の検査など色々受けましたが、どこも異常は無い。と言われるばかり、仕事にも行ける様な状態でもなく。
このまま死んでしまうのではないかと真剣に悩んでおりました。
お恥ずかしい話ですが、テレビを見ていても落ち着かず頭にハチマキを巻いてみたりチャンネルをカチャカチャと変え続けてみたり、 周りの身内からは「頭がおかしくなってまいようわ」(関西弁)と言われておりました。 実際に目はつりあがり、おかしな行動をとっていたのでそう見えていたと思います。 当の本人もテレビを見ていても視界の端に赤い玉や白い玉が見え隠れするので(何やこれ、見てやろう)と不意を突いてパッと見てもピュッと消えるなど妙なことが頻繁に起こっていました。
そんな状態が3ヵ月ほど続き、ある日の明け方 いつもの様に寝付けずにいると台所の神棚の方から、ガタガタッと音がしたかと思うと、左に龍 右には白狐 が眼の中に飛び込んできました。
(何や!今のは?)と父親に話しました。
ウチの血筋といいますか、今は亡き曾お爺ちゃんが神さん(白狐大神・白瀧大神)のお使いとして、ずいぶんと人助けをし、色々あって、祖母も(白狐大神・薬力大神)が入られているので、父はまさか…とは思いながらも もしかして…と思い、祖母に狐と龍の話をしたのですが、ちょうどその時にいた親戚に「頭がおかしくなると色々見えるらしいで」と言われそのままになっていました。
それから後、私があまりに辛そうに寝ているのを見かねた祖母が 「栄養ドリンク飲んだんか?」返事をするのも辛かったので「飲んだ!」と一言返すと、祖母が「一回お加持したろか」(祖母は人を視るのが嫌いです。今では、その気持ちがよく分かります。)
神や仏を信じてなかった私ですが、もうその時は藁にもすがる気持ちです。
即答で「あぁ視て」祖母「ほな、こっちおいで」と隣の部屋に私を呼びますが、布団から起き上がる元気もありません。
仕方なく祖母は塩で手と口を清め私の寝ている横に正座し祝詞をあげだした途端の事です。
私は、自分の感情とは全く関係なしに 何が悲しいのか大きな声をあげて泣き出していました。
(うわぁ…やっぱり悪い霊か何かに取り憑かれとったんやぁ)と思っていると、だんだんと自分の意識が薄れていくというか、何かに自分を乗っ取られるという感じになり、(あぁ このまま死んでしまうのではないか)と思いました。
が僅かに自分の意識が残っています。その間、祖母も必死にクジを入れ続けます。 そのクジが体の芯まで響いてくるのを感じます。
(後で祖母にどうやってクジ入れたのか聞いても、神さんが勝手にするので分からない。と言います。)
そうこうしていると祖母が「どちらさんですか!」と言うや否や、辛くて起きる事も出来なかった体が勝手にガバッと座って、両手を訳の分からない組み方をして高々と上に挙げながら「薬力大明神やぁ!」と私は聞いた事もない名前を口にしていました。
祖母「そうでしたか、それではこの者に修行をさせますので、どうかどいてやってもらえますか」 と終わった瞬間から、今までの体の不調が嘘のように軽くなり、心からの深い感謝の気持ちと、何でも出来るという溢れ出んばかりの力が湧いてくるのを感じました。
それからが私の修行の始まりです。
後から振り返ってみると、「薬力大明神」と口開きしたのがちょうど暦の午の日でした。